☆ 使役動詞+人+V で、なぜ to Vにしないか。(研究)
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Rainbow Stag Beetle / Mushi-Mushi Land
元々、使役動詞make, have, letの後ろのVでもtoがあったんです。このtoは15世紀ぐらいを境にとれたようです。
force 人 to Vとmake 人 Vの違いは形式上は、toの有無にあります。
toには「よいしょ、よいしょ」と人をある方向に向かわせるという「手間」「時間」を感じさせます。force 人 to V は人に何か強いるわけですが、素直にやってくれるとは限りません。一押し、二押しと手間がかかるわけです。
一方、make人Vには 「手間・時間がかかる=人を向かわせる」の toがありません。これは有無を言わせず「やれよ」と人にすぐやらせるという意味になるからです。have人Vもお金などを払い、当然のごとくやってもらうわけなので、時間や手間をかけてやってもらう感じがありません。let人Vに至っては、好きなように自由に人にやらせてあげるという意味なので、これまた時間も手間もかからないというわけです。
この手間のtoは help人 to Vでもとれかかっています。help人Vですね。この場合、直接、さっと手伝ってあげるの意味になります。
同様に、see, hear などの知覚動詞構文も、see 人 V / hear 人 V であって、Vにtoはつきません。see, hear,みたり聞いたりするのに、手間はかからないし、人をある行動に向かわせるという意味にならないからです。